MCI-copilot
DIGITALIZING
MANUFACTURING EXPERTISE
製造業の現場が抱える「属人化」と「紙への依存」。 MCI-copilotは、地元の製造業様との共創により、 受注から生産、在庫の一元管理によって紙への依存を解消し、属人化していた業務プロセスをデジタル技術で形式知化。 誰でも、いつでも、高品質な業務遂行を可能にするDXプラットフォームです。
ROLE
Project Manager / Lead Dev
CLIENT
Mie Chemical Industry Co., Ltd.
TEAM
6 Students (KOSEN)
THE CHALLENGE: SILENT KNOWLEDGE
中小規模の製造現場では、データ形式が紙やエクセルでバラバラに保管されていることがあり、情報の流れが不透明であることと、長年のノウハウが個人の頭の中にのみ存在する「属人化」が深刻な課題です。
私たちは単なるツール導入ではなく、現場の方々との対話を重ね、 「紙とテンキー」に慣れ親しんだ現場でも違和感なく使えるUI/UXを追求しました。
- 熟練者の退職による技術喪失リスク
- 紙ベース管理による検索性の欠如
- リアルタイムな在庫状況の把握困難
QUANTITATIVE IMPACT
アナログ業務のデジタル化は、単なる利便性向上以上の価値を生み出しました。 事務作業工数の大幅な削減により、本来注力すべき付加価値の高い業務へのリソースシフトを実現しています。
Daily Administrative Workload
275 min → 60 min / day
TEAM DYNAMICS & PM ROLE
PBL (Project-Based Learning)
鈴鹿高専4年次の「創造工学」—テーマ自由のPBL形式授業—において、6名の学生チームで開発しました。 私はPMとして、設計、インフラ構築、タスク管理、そしてクライアントコミュニケーションを主導。 技術力の差があるメンバー構成の中で、GitHubを活用した開発フローの整備や、ペアプログラミングによる技術共有を積極的に行いました。
Bridge Building
「紙とテンキーが好き」な現場の方々にデジタルの価値を伝えるため、プロトタイプを用いた実演と対話を繰り返し、信頼関係を構築しました。
DevOps Culture
チーム開発初心者のメンバーに対し、Git/GitHubのハンズオンを実施。CI/CDパイプラインを整備し、ミスを未然に防ぐ安全な開発環境を構築しました。
COMMUNICATION_LOG
Requirement Definition
現場ヒアリング・課題抽出
System Design & Dev
要件定義に基づく設計・実装
Prototype Review
UI/UXのすり合わせ・フィードバック
Pilot Operation
実データを用いた運用テスト
TECHNICAL ARCHITECTURE
Next.js & TypeScript
業務アプリとしての堅牢性と保守性を重視し、フルスタック型安全性を確保。Server Componentsによる初期ロード高速化も実現。
PostgreSQL & Prisma
製品、部品、工程、在庫など、複雑に絡み合う製造業のデータを正規化し、整合性を担保しつつ柔軟なクエリを実現。
Real-time Updates
刻一刻と変化する在庫状況を即座に反映するため、SWRを用いた最適化されたデータフェッチ戦略を採用。
AI Demand Prediction: HUNT
MCI-copilotと連携する需要予測エンジン「HUNT」については、 別の記事で詳しく解説しています。統計学と生成AIを融合させた ハイブリッドアーキテクチャの詳細はこちらをご覧ください。
ENGINEERING CHALLENGES
Complex Data Modeling
製造業のデータモデルは一筋縄ではいきません。 「A製品を作るにはB部品がn個必要で、B部品はC業者からm個単位で購入...」といった多層的な依存関係を、 パフォーマンスを損なわずにRDB(PostgreSQL)に落とし込む必要がありました。
Prismaのスキーマ定義において、多対多のリレーションを適切に設計し、 N+1問題を回避するためのクエリ最適化に多くの時間を費やしました。
// Prisma Schema Example (Simplified)
model Product {
id String @id @default(uuid())
name String
components Component[]
processes Process[]
inventory Inventory?
}
model Process {
id String @id
dependencies ProcessDependency[]
estimatedTime Int
}
KOSEN FESTIVAL EXHIBITION
2025年の高専祭において、MCI-copilotプロジェクトを展示しました。 現場の課題からソリューションへの道筋、そして実装したシステムの特長を来場者に分かりやすく伝えるため、 ポスターと実機デモを用いた展示を行いました。


FUTURE OUTLOOK
From Digitalization to AI Prediction
現在はプロトタイプ運用を経て、本番運用に向けた機能改善フェーズです。 蓄積されたデータを活用し、HUNTプロジェクトの「需要予測AI」と連携させることで、 単なる管理ツールから「未来を予測する経営コックピット」への進化を目指しています。